【制作秘話】美しさとこだわりについて語りつくす
こんにちは!
春を呼びにいきたいなって、昨年秋冬からせっせと準備していたコレクションがしあがりました!コレクションについて語りつくそうと思ったのだけれど、ワンピースだけで長ーくなったので、今回はワンピース編です。
まずは最近めっきりカジュアルなので、これ着とけば大丈夫!という太鼓判ワンピースをつくりたかったのです。アクセサリーとか細かいこと気にしなくてもよいワンピース。
素材のはなし
まず素材選びは徹底的に。
素材のいろはを知り尽くす敏腕デザイナーすみよさんとともに、これでもかっていうほど取り寄せて、足を運んで、見てさわって決めました。
長くてまどろっこしくなるので箇条書きでどうぞ!
生地の特徴をまとめるとこうです。
・とろみがある
・てろっとしている
・パウダリーな質感
・マットな見え方
・ストレッチ性
・透けない
・しわにならない
・洗える
だから、こうです。
・肌ざわりバツグン
・美しいドレープ
・上品に見える
・動きがとても美しい
・思いきり動いても安心
・長時間すわっても抱っこも安心
ドレープのはなし
つぎにこだわったのは、何と言ってもドレープです。
美しい素材を選んだら、その美しさを活かして、着る人を美しいく包みこむ形を作りたいな!と思っているんです。
ドレープの調整はパタンナーまさみさんの腕がなりまくりました。これはほんとに難しいデザイン!
①胸元
着るだけで、すでにスタイルがある形。
仮縫いからサンプルから、思い描いたドレープが出るまで一番時間がかかったのがここです。
肩から胸元にちょっと斜めにはしる柔らかいドレープは、目線を上に引き上げるのと、お顔をやさしく魅せる効果があります。じつはこの斜めのラインをつくるのに、布の地の目から見直したりなんていう、細かい細かい調節がありました。
ジャケットを羽織るとドレープだけがやさしくのぞいて、これまた美しい。
②フロント
胸元から下にストーンと落ちるドレープ。これで縦のラインを強調してスタイルアップが叶うわけなんです。
ね。目線が上に行く感じしますよね。
③そで
そで口にこまかいドレープたっぷりで、たゆんとします。ちょっとクラシカルな印象です。そで自体が太めの作りなので、自然と縦のドレープができてほっそり見えますね。
④バック
うしろの切り替えから2本タテのドレープ。これがまたふわっとやさしい形を作り出します。
これだから、どう動いたって、どう着たって流れるデザインなんです。
大変です。長くなってしまいました。まだもう少しあります。
パールのはなし
胸元のドレープはパールのボタンがかわいいかな?そんなアイデアからはじまりました。
そうしたら、アクセサリーいらず!ネックレスの長さのバランスとか、子供にひっぱられるんじゃないかとか、根こそぎ撤廃できる形になりました。
せっかくだからツヤのいい肌なじみのよいお色で。しっかり縫いついているので、調節していただく必要はありませんよ!
カフスにも2粒パールついているから、動くだけで所作が美しく見えますね。
カタチのはなし
ドレープでもさんざんお話してしまいましたが、流れるカタチ。着やすいカタチ。そうそう。裏地もついているので、乾燥する季節も貼りつき防止です!
縫製まりえさん、本当に丁寧に仕上げていただきました。
ひざが隠れる丈。ヒールでも、フラットシューズでも様になる丈。
そではカフスを長めに、でもスリットが入っているのですっきり見えます。
みんなの時間をデザイン
まずはセレモニーの朝。子供たちの晴れ舞台。母は子供たちの準備でおおわらわ。いろいろ考えても、自分はそっちのけになるのが当日なので、ぱっと着ておしまい!これに越したことはないのです。
まだ小さいお子さんがいるかもしれない。抱っこしても、引っ張られても、細かいこと気にしないでほしい。
長時間座ることもあるかもしれない。あとで写真見て、あーしわくちゃだった―なんてことにならないでほしい。
ご自身の晴れ舞台や、ちょっとしたお食事の日かもしれない。おいしいご飯をたくさん食べるかも。お腹いっぱい食べても、シルエットがかわらないデザインがいい。シルエットを気にしなくていいデザインがいい。
かわいいほうがいいし、きれいなほうがいい。けど、仕事に子供に奇病に頭がまわらない!だから何も考えないで、これ一枚で絶対的な自信!な太鼓判!
こだわりてんこもりワンピース。デザインだけでなくて、着て過ごす時間までこだわりぬいているから、着るだけで自信が持てる「太鼓判ワンピース」になりました。
永く大切に着ていただけますように。この服に袖をとおして過ごす時間がやさしいものでありますように。